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お知らせ&ブログ

カラダのお話し◇ストレス

2024.05.31

その他ブログ

よく「ストレスがある」、「ストレスがたまる」と言いますが、そもそもストレスって何でしょう?

 

もともとは物理学用語で、物体の表面に加えられた圧力のことでした。

 

それが、生理学者のハンス・セリエなどにより、人間に当てはめて使われ始めました。

物理的・精神的な刺激を「ストレッサー」、それを受けて身体に生じる症状を「ストレス反応」と言います。

「ストレス」には、この両方の意味が含まれています。

 

ストレスを感じる時は、マイナスなことが原因と思われがちですが、

実は、嬉しいことや楽しい出来事でもストレスはかかっています。

 

結婚、入学や卒業、休暇などの出来事にも、ストレスを受けています。

日常的な状態から、別の状態に変化した際、脳は変化を刺激としてとらえ、反応します。

この反応がストレスとなります。

 

ストレスを受けると身体はどうなるのか

ストレスを受けると、身体はそれに対抗しようと、活動状態のスイッチが入ります。

心拍数が上がり、血圧、体温が上昇、血糖値も上がります。

これは、いわばストレスに対処するために必要な反応といえます。

ところが、時としてこの反応が過剰になり過ぎる場合があります。

これが長期にわたると身体や心に支障をきたすことになります。

 

具体的な仕組みをみてみましょう。

 

私たちの身体には、外部環境や体内の変化に対して、

常に正常な状態を保とうとする「ホメオスタシス(恒常性維持)」という機構が備わっています。

これには、「自律神経・内分泌系・免疫系」が深く関わっています。

自律神経」は、意識的にはコントロールできない心臓などの内臓の働きを調整している神経です。

内分泌系」は、ホルモンを分泌していて、血管を通って標的組織に影響を与えます。

免疫系」は、細菌やウイルスなどの病原体と戦うシステムで、免疫細胞が体内に侵入した病原体を攻撃し、私たちの身体を守ります。

この3つが正常に機能していないと、私たちの健康は損なわれていきます。

過度なストレスはこのホメオスタシスに悪影響を与えます。

ストレスは、なかでも主に「自律神経」と「内分泌系」に関わっています。

 

《自律神経のバランスが崩れる》

自律神経には、活動時に働く「交感神経」と、リラックス時に働く「副交感神経」があります。

ストレスが加わると、交感神経が活発になり、心拍数や血圧を上げ、呼吸が激しくなり、汗が出ます。

また筋肉を緊張させ、胃や腸の働きは抑制されます。

これはストレスに立ち向かうために必要な反応です。

通常は自然に「副交感神経」に切り替わり、身体はリラックス状態に導かれます。

しかし、交感神経の優位な状態が長期にわたると、筋肉の緊張や高血圧の状態が続くことになります。

副交感神経にスムーズに切り替わらなくなり、やがて自律神経のバランスが崩れていくことになります。

 

《ストレスホルモンが分泌される》

ストレスを感じると、副腎皮質から「コルチゾール」というストレスホルモンが分泌されます。

コルチゾールは免疫系の過剰な反応を低下させ、炎症を抑えます。

また、血中の糖の濃度を上げ、低血糖状態を防ぎます。

これは、敵と戦う際の一時的に必要な身体の反応といえます。

しかし、ストレスが長期化するとコルチゾールが分泌され続けるので、

免疫力は低下し、血糖値は上がった状態が続くことになります。

また、長期的なストレスで、記憶に関わる脳の器官である「海馬」が、萎縮することもわかっています。

これにも、コルチゾールが関係しているといわれています。

 

ストレス対策

対策①睡眠

ストレスを低減するためには、睡眠が重要です。

睡眠には疲労回復、記憶定着などの働きがあります。

私たちの身体には「体内時計(概日リズム)」が備わっており、それが乱れると自律神経やホルモン分泌に影響を与えます。

質の良い睡眠を迎えるために、まずは生活習慣を整え、ストレスに対処できる身体のリズムをつくりましょう。

※詳しい睡眠については、「睡眠」のブログをご覧ください(^^)

 

対策②運動

運動を行うことで、血中のストレスホルモンであるコルチゾール量を減らすことができます。

普段から、長期的に軽い運動をするのがベストなので、

一番手軽に始められるウォーキングがオススメです。

うつ病に対しては、一日あたり4000歩、そのうち5分間の早歩きで予防効果が期待できるといわれています。

また、一時的な激しい運動は逆効果で、ストレス反応が余計に活発になってしまいます。

そして、運動によって記憶を担う脳の海馬が大きくなることが分かっています。

運動はストレスによる海馬の萎縮を抑え、記憶力を高めることもできます。

 

対策③食事

長期的ストレスは過食や拒食の引き金になる危険性をもっています。

普段から日々の食事に気を配り、対策をとりましょう。

 

ω3系不飽和脂肪酸▼

青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)には、血液がさらさらになる効果などで生活習慣病予防に有効なことが知られています。

これらは「ω3系不飽和脂肪酸」にあたります。

生活習慣病の予防に加えて、精神疾患の予防、治療の効果があることが分かっています。

海馬に作用し、神経細胞に栄養を与え、働きを助けます。

これらも、運動と同じように、ストレスによる海馬の障害を防ぐことができます。

 

トリプトファン▼

睡眠の質を高めるためには、魚類、大豆製品に多く含まれるトリプトファンを摂取しましょう。

 

ブドウ糖▼

脳がストレスに対処するためには、脳のエネルギーとなるブドウ糖を摂取しましょう。

ブドウ糖は炭水化物に含まれています。

また、これを効率よくエネルギーに変えるにはビタミンB群が必要です。

ビタミンBはトリプトファン摂取にも必要な栄養素です。

 

ビタミンD▼

ストレスを受けると、ビタミンCとカルシウムが大量に奪われるので、

カルシウムの吸収を助けるビタミンDの摂取を摂取しましょう。

 

総合的にみると、和食の朝ご飯はストレス対策としては、非常に優れています。

ご飯・味噌汁・焼き魚・納豆、これにフルーツをプラスすれば、ほぼ完璧です。

 

「よく動き、よく食べ、よく眠る」生活でストレスに強い身体をつくっていきましょう(´・∇・`)

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