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カラダのお話し◇恒常性(ホメオスタシス)
2024.11.30
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みなさんは、「恒常性」という言葉を聞いたことはありますか?
恒常性とは、外界の環境の変化に対して、生体を安定した状態に保とうとする仕組みのことです。
ギリシャ語で「ホメオスタシス」ともいわれています。
体温・血糖値・血圧・呼吸など、体のあらゆる面において、この恒常性によって保たれています。
よく例として取り上げられるのが、体温調節です。
外界の温度が変化しても、体温は約36度~37度に保たれています。
暑い時は、汗をかいて体温を下げます。
また、末梢血管を拡張させて、熱を放出します。
逆に寒い時は、筋肉を収縮して熱を発生させます。
また、血管を収縮させて皮膚の温度を下げ、熱が逃げるのを防ぎます。
これは、私たちが意識しなくても、常に働いてくれている恒常性のシステムのおかげで、
正常な状態に保たれています。
ただ、恒常性は、「自律神経系・内分泌系・免疫系」の3つのシステムに大きく関係しているため、
この3つを正常に機能させることが重要です。
自律神経系・内分泌系・免疫系の関係
自律神経は、交感神経と副交感神経相反する働きをもっていて、うまくバランスをとりながら機能しています。
何らかのストレスがかかると、交感神経が活発になります。
副腎に繋がる交感神経が、副腎の内側の副腎髄質に作用すると、アドレナリンを主とするホルモンが分泌されます。
アドレナリンの作用で、心臓の収縮力を増やし、血糖値を上げ、通常より強い力を発揮できるようになります。
ストレスとなる対象と戦ったり、逃走する態勢がつくられるわけです。
このシステムは「闘争・逃走反応」といわれ、私たちが危険を乗り越えるための重要な反応です。
ストレスが続いて慢性化すると、今度は交感神経を介さない内分泌系の反応が起こります。
脳の視床下部から副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)が分泌され、
それを受けて、脳の下垂体から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が分泌されます。
そして、副腎の外側の副腎皮質から、コルチゾール(いわゆるストレスホルモン)が分泌されます。
この反応では血糖値を上昇させ、免疫力は低下させます。
神経系の伝達とは違って、こちらは持続的にゆっくり作用するので、長期的ストレスに対処するのに向いています。
このように自律神経系と内分泌系は、ストレスに応じてそれぞれうまく対処していますが、
あまりに強力なストレスがかかったり、あまりに長期に継続し続けると、対応しきれなくなってしまいます。
また、副腎髄質から分泌されるホルモンには、アドレナリンの他にノルアドレナリンがあり、
このノルアドレナリンも、ストレスを受けた時に分泌されるホルモンです。
ストレスが長期化して交感神経が過度に活性化されると、ノルアドレナリンが放出され続けます。
免疫を担う白血球には、好中球・好酸球・好塩基球などの「顆粒球」と、T細胞・B細胞・NK細胞などの「リンパ球」がいますが、交感神経が優位な時には顆粒球が多く、副交感神経が優位な時にはリンパ球が多くなります。
ノルアドレナリンは顆粒球を活性化させますが、それ以外の免疫細胞の働きを弱めることが分かっています。
これは、相対的に免疫力を低下させる結果に繋がります。
つまり、ストレスの長期化は、自律神経を介して、ホルモン分泌に影響を与え、それによって病原体に対する抵抗力も低下させてしまいます。
これが、恒常性のシステムを崩す原因となり、体内環境に影響を及ぼすのです。
誰しもお仕事や私生活でストレスは少なからずかかっていることでしょう(´゚д゚`)
ストレスを過度にかけず、長期化しないように息抜きすることを心がけて
心身ともに健康に過ごしましょう☆
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